昔から変わらない絶品市場めしを食べたいなら「福田家食堂」へ!
市場に来たら食べてみたい、市場らしさが詰まった「市場めし」。市場のお店だからこそ手に入る新鮮な食材や、旬の食材を使い、お手ごろな価格でお腹いっぱい食べられるのが魅力です。
船橋市場の関連事業者店舗棟の西側には飲食店が並んでいます。今回はその中のひとつ、船橋市場開設当時からお店を構える福田家食堂さんをご紹介します!
船橋市場開設当時からお店を構える定食屋さんです
船橋市場は今年で開設50周年を迎えました。
このお店は市場開設当初から入っているお店で、市場ができる前は現在の船橋駅北口のあたりにお店を構えていたそう。その頃から数えてみると創業およそ70年。初代、2代目の味を受け継いだ3代目店主の土居靖さんは、日々朝から腕を振るっています。
ファンも多く、有名雑誌などに取り上げられたこともあり、現在お客さんは市場で働く人よりも一般客が多いのだとか。福田家食堂の看板メニューは『モツ煮定食』と『まぐろの中落ち定食』。
どこか懐かしい店内で味わう、いつも変わらない美味しさ。食べた人を魅了し、ついついまた足を運んでしまうのです。
希少部位!新鮮まぐろの「中落ち定食」はなんと750円!!
「中落ち定食」で使われるマグロの中落ちは、馴染みのマグロ屋さんから仕入れるもので鮮度抜群!中落ちとはマグロの背骨の周りに付いている身のことで、40~50キロのマグロからたった300~500gしか取ることができない希少部位です。
骨と骨に挟まった身をスプーンですくったものが中落ち定食に使われます。(昔はハマグリの殻ですくっていたことから、ハマグリで身をすくうと美味しいという説もあるそうです。)
中落ちはスーパーなどで見る「ネギトロ」と同じように見えますが、違うものです。
いわゆるネギトロと呼ばれるものには、マグロの中落ちをはじめ、尾身や赤身の一部、お刺身を造る際に切り落とされる余り部分が含まれ、食用油が加えられることもあります。
一方の中落ちは赤身ではありますが、ほのかに脂が乗ってしっとりとしています。さっぱりした口あたり、しっかりとした旨味。新鮮で濃いまぐろの味にきっと驚くことでしょう!
「20、30年ほど前は、市場で取り扱うマグロの数が今の10倍でした。
中落ちは普通まかないに使われるようなもので、とにかく余っていたんです。
希少部位とはいえ手に入りやすかったので、これをメニューに取り入れました。
今は一日1~3㎏ほどの中落ちを扱っていますが、当時は20㎏仕入れていたんですよ。」とお話しする土居さん。
土居さんはかつてセリ人として働いていました。奥様と結婚し、義母である先代のお店を継いで3代目になったといういきさつがあります。魚を見る目は確か!!だからこそお客さまを満足させ続けることができるんですね。
ずっと変わらない懐かしの味を!「モツ煮定食」650円」
福田家食堂のもう一つの看板商品である「モツ煮定食」。これは創業以来変わらない、伝統を受け継ぐメニューです。
器にたっぷりと入ったモツ煮は、野菜は一切入れず、具はモツとこんにゃくのみ。
モツは内臓肉のことでホルモンとも呼ばれます。栄養価がとても高くスタミナが付くので、夏バテ防止にも最適です。モツの魅力は部位ごとに食感が違うこと、普通の肉の部位にはないクセがなんとも言えません。
丁寧に下処理されるため臭みは除かれ、長時間煮込まれたモツは味が染みこんで実にやわらか。コクのある味噌味のモツ煮にトッピングするのは、たっぷりのねぎと七味唐辛子。ご飯が進まないわけがありません!
「モツ煮は私がこのお店をやる前から出しているメニュー。先代の義母から継いだレシピで今も作ってるよ。」
福田家食堂は、お手ごろ価格で美味しい定食を提供しています。
美味しいものを美味しく提供する、妥協しない店主としての強いこだわりがあります。
例えばお米。定食はどれもお得な価格設定のため、ブランドの高級米は使えません。国産の良質なお米をブレンドしたものを使っています。
「私が口うるさく言うから、お米屋さんの方が気を使ってくれてるよ。市場でご飯を提供するなら美味しくないものは提供できないからね」
ご飯の大盛は無料!定食には小鉢とお味噌汁が付きますよ。
来店のお勧め時間帯は10~11時!ブランチにいかが?
船橋市場の朝はとても早く、土居さんが出勤するのはなんと夜中の1時!
3時ころになると仲卸のお店が開くため、仕入れに向かいます。お店は5時にオープン、市場で働く人が一仕事を終えて朝食を食べに来るのが大体7~8時。お昼時の12~13時は近隣で働くサラリーマンで満席になることも多いとか。座席はカウンターのみですが、土曜日は家族連れも訪れるそう。
ゆっくり食事を楽しみたいのなら、平日の10~11時がお勧めです!お店は13時には閉まるのでご注意。
関連店舗棟は一般の方でもご利用される方が多く、ゆっくりお買いものを楽しんでから最後に福田家食堂でお腹を満たす、というルートも良いですね。
基本的に水曜・日曜が休市日となりますが、それ以外は毎日元気に営業しています!忙しくない時間帯であれば、気さくなご主人とのトークも楽しめるかもしれません(笑)。
※お盆は14日(水)~16日(金)が休市日。12日(月)、13日(火)、17日(土)は開市となりますので、普段市場に来られない方もぜひお越しください。
市場の食材を使った昔ながらのあったかい定食屋さんで、美味しい市場めしはいかがですか?
今回取材したお店
※写真や記事内の価格表記につきましては、令和元年7月の取材時のものです。