プロに聞いてみた! ~野菜&果物編~
お待たせしました。今月の特集は野菜&果物です。
全国から届く旬の美味しいものを扱うプロに、今の時期のオススメ!を教えていただきました。
ほうれん草
船橋産の野菜といえば、「小松菜」と思われがちですが…、
今回は、ほうれん草をご紹介します。
早朝の場内には威勢よい声が響き、ほうれん草のセリが行われていました。
「千葉県は全国1のほうれん草産地、その中でも船橋は主力産地です。9月から4月頃までは船橋産のほうれん草が多く出回ります(夏場は群馬・栃木産が主)」と、セリを行っていた長印船橋青果株式会社の野菜部副部長 恩田さんが教えてくださいました。
船橋のほうれん草はハウス栽培が2割ほどで、あとは路地とトンネル栽培。「路地ものは緑が濃くてゴツゴツした見た目ですが、味が濃くて格段に美味しい」「最近のは独特のえぐみが少ないので、下茹でしなくてもOK」とのこと。恩田さんのおすすめは「すき焼きや鍋物にそのまま入れて!」「根本の赤い部分を食べて欲しい。甘くて、栄養も豊富!」
※根本部分は切り込みを入れて、水でよく洗い流せばキレイになります。
みなさんも、船橋産のほうれん草を見つけたら、ぜひ今夜の食卓へ!
この時期は船橋産の小松菜、かぶもおすすめ! ゴールデンウィーク頃からは枝豆も出荷が始まるそうです。
デコポン
毎年続々と新品種がお目見えして話題を呼んでいるみかんですが、みかんのブランド化は「デコポン」が最初かも?
「デコポンの名付け親は、細川元首相なんですよ」と教えてくださったのは、長印船橋青果株式会社 果実部部長の植草さん。
「デコポン」と呼ばれるみかんの正式な品種名は「不知火」。その中から糖度13度以上、酸度1.0以下という基準で厳選されたものが「デコポン」です。当時熊本県知事だった細川護熙氏が、このかわいらしい名前を付けたのだそうです。
スイカ
「スイカ」は夏の果物では…?と思う方も多いでしょう。
でも、お彼岸前後の九州産から始まって、ゴールデン ウィーク頃には北筑波産の小玉スイカが市場にお目見え、もちろんスーパーにも並びます。北筑波産の小玉スイカはハウス栽培ですが、暖房を炊かずにハウスを 二重にするという省エネ栽培。燃料の値上がりに価格が左右されないという利点もあります。船橋市場でも、4月ごろから並び始めるようです。
ス イカといえば、大きくて冷蔵庫に入らない…。少人数では食べきれない…。皮などの生ゴミがでる…。と敬遠する方もいるかもしれませんが、小玉スイカなら、 冷蔵庫に入る!数人で食べきれる!皮が薄い!しかも、甘みが強めでハズレ(未熟で甘みが少ないもの)がほとんどありません。大きなスイカに比べると、安価 で購入しやすいのもいいですね。
そして、5月下旬からは千葉県産のスイカも出回ります。注目は、2013年から生産を始めたという銚子産の 「ブラックジャック」。緑の縞模様がスイカの特徴ですが、このスイカは皮が黒く大砲の弾のようです。切ってみると真っ赤で種がほとんどなく甘み が強いのも特徴です。この「ブラックジャック」の大きさや皮の黒さを競い合う「真っ黒スイカコンテスト」も開催されております。
「ジュースやカットフルーツが手軽で人気ですが、やはり果物は丸ごとを切って、剥いて、食べて欲しい」「できれば、地元で収穫されたものを」とおっしゃる植草さんでした。
有限会社 島重商事さんが、並べてくれたのは…
山菜
春を感じさせてくれる、山菜がずらり!
たらの芽、ふきのとう、こごみ、わらび、山うど、うるい、たけのこ、わさび、そら豆、石川いも……、桜の花まで添えられて、春満載です。
「おすすめは、天ぷら!」とおっしゃる力強い店主の言葉にヨダレが…
花穂部分の「花みょうが」と、茎のように細長い葉の部分「みょうがたけ」。「みょうがを食べ過ぎるとバカになる」という言い伝えから「バカ竹」「バカ子」とも言われるそうです。
大分産の「ジャンボしいたけ」は、一般的なしいたけやタバコの箱と並べると、その差にビックリ。
「わざび」に「花わさび」なんていうのもありました。「花わさび」は、切ってさっと茹で、しょうゆ漬けなどにしていただくと絶品だそうです。
今は九州産が主の「たけのこ」ですが、そろそろ千葉産も出てきます。
春の緑が鮮やかな「そら豆」。ビールのおつまみに、ぜひ!
有限会社 カネマンさんでは、珍しいものが次々と…
レモンソルト・抹茶ソルト・さくらソルト
「レモンソルト」
ドレッシングやマリネなど洋食の調味料としてはもちろん、和風もいけます!
「抹茶ソルト」
天ぷらはもちろん、お刺身などにも。いろいろとお試しください。
「さくらソルト」
こちらも天ぷらや鯛のお刺身、おめでたい料理にぜひ使ってみて!
辛味大根
短足でなんとも可愛らしい「辛味大根」。得意先の蕎麦屋さんの注文で仕入れているとのこと。蕎麦の香りを存分に引き立ててくれます。
新たまねぎ・新じゃが
水分が多くやわらかい新ものは季節限定。出回っているうちに食べましょう!
桜葉漬
桜の葉を塩漬けにしたもの。桜餅にクルっと巻かれているアレです。鯛を蒸す時に使うこともあるそうです。
桜花漬
桜の花を保存するために塩漬けしたもの。おめでたい席に用意される「桜湯」やお寿司などの飾りに。塩抜きしてスイーツに飾ることもあるそうです。
抱きしめたい
というネーミングからは、なんだかよくわかりませんが……
赤紫蘇の葉の酢漬けです。ご飯を撒いたりするそうです。紫蘇巻きおにぎりにしても、美味しそうですね。
有限会社 櫻井青果さんの、おすすめは…
「千葉産、安房産!」「地元のものを食べましょう」と熱く語る櫻井青果さんが教えてくれたのは…
かんべレタス
「レタス」ではなく、「かんべレタス」です。
館山市神部地区でエコファーマーが手間暇かけて栽培している、知る人ぞ知るブランドレタスです。「生で食べるものだからこそ、低農薬で」との想いから、様々な取り組みで低農薬栽培を実現しています。ミネラルの多い土壌と冷涼な潮風によって品質の良いレタスが出来る。
その味は…、「シャキッとしていて甘みがありますよ。ぜひ食べてみてください、きっと違いがわかります。ものがいいから持ちもいいです」「かんべレタスが入荷するのは4月前半までかな~、見かけたらぜひ!」と、店主イチオシ!です。
セロリ(セルリー)・菜花
両方とも今の時期が旬の千葉県安房産。これらが出回るのも、3月いっぱいくらいです。
有限会社 八百虎フーズさんが教えてくださったのは…
時間がない時にササっと作れる!食欲がない時にもサラリと食べやすい!
おすすめのレシピです。
長芋そうめん
刻みネギや海苔をのせても美味しそうです。
市場でプロに話しを聞くと、「今のおすすめ」「地元産の美味しいもの」「珍しいもの」「おすすめの食べ方」に出会うことが出来ます。スーパーとはちょっと違う買い物をしに、市場へ足を運んでみませんか。
ただし、市場時間をお忘れなく。昼頃には店じまいしてしまう店舗が多いので、ご注意ください。
また、青果店は一般向けの小売をしていない店舗が多数ありますので、一声かけて確認してみてください!