年末年始に美味しい蟹はいかが?一般客ファンも多い石井水産へ
今年も残すところ1ヶ月。
1年間の締めくくりと新しい年の始まりに、少し奮発して美味しいものを食べたいと思っているのなら蟹は最適な食材です。蟹は海の中でハサミを上下に振る様子が福を招くとも言われ、お正月にはピッタリの縁起の良い食べ物なんだとか!
今回はそんな美味しい蟹を豊富に扱う「石井水産」さんにお話をうかがいました。
大きくて立派な蟹が山のように…!
石井水産さんは、水産物仲卸売場の2号通路、または3号通路を進んだ奥の方にあります(マグロ卸売の「岩田商店」さんの裏手です)。蟹をはじめ、鮭やエビ、銀ダラや金目鯛など多くの水産物を取り扱っており、活気のある雰囲気に「これぞ市場のお店!」と感じることができます。
お店を切り盛りしているのは石井和寿さんと昌寿さんのご兄弟。
早速石井水産さんで扱っている蟹を見せていただくことに。
持ってきた大きな箱に入ったたくさんの蟹…思わず「お見事!」と言ってしまいたくなるような蟹の山!スーパーなどでは見かけることのない立派な蟹に、まず目を奪われます。
蟹はメーカーによってサイズ表記は異なりますが、年末年始は見栄えが良い5Lや6L、J(ジャンボ)といった大きいサイズの蟹の売れ行きが良いそう。蟹一キロにつき6,000円ほどで販売しています。
ちなみに蟹は脚だけで売っている場合と肩付きの脚があり、お客さんの好みが分かれるとのこと。脚だけのものは大きさや量が均等にセットされており、肩付きの蟹は身の入った肩も味わえるメリットがあるそうです。
意外と知らない?!蟹の種類
一口に蟹といっても、実はいろいろな種類があります。スタンダードな「タラバ蟹」「ズワイ蟹」の見分け方について教えていただきました。
タラバ蟹の特徴は脚が8本、右の爪のほうが大きいこと。一方でズワイ蟹は全体的に少々小ぶり、左右対称で10本の足があります。また、タラバ蟹と似ている蟹に「アブラ蟹」がありますが、甲羅の中央(写真の右手人差し指付近)のトゲが6個あるのがタラバ蟹で4個あるのがアブラ蟹、と見分けると良いそう。写真の左手人差し指付近は、タラバもアブラも6個トゲがあります。
また、脚だけで売っている場合は色をチェック。茹で蟹の場合、脚の裏の先端がまんべんなく赤いものがタラバ蟹で、赤と白のまだらになっているものがアブラ蟹です。ボイルしていない蟹の色は茶色がかった薄い紫色をしていますが、この色がしっかり付いているものを選べば間違うことはありません。
ちなみに蟹は大きさで選びがちですが、重さで選ぶのが正解。軽い蟹は大きくても中身がスカスカなのだそうです。
さらに、蟹は産地や品種によって味に違いがあります。
ズワイ蟹の場合、太平洋で多く採れるのが「バルダイ(大ズワイガニ)」で、カナダ周辺や日本近海で採れるのが「オピリオ(本ズワイガニ)」という品種。さらに採った国によって処理や凍結方法が異なるため、それによっても味に影響が出てくるのだとか。
安すぎる蟹や食べ放題のお店で食べる蟹は、必ずしも品質が良いとは限りません。安い蟹を安易に選んで失敗するよりは、予算を決めて品質の良い蟹をじっくり選ぶのが良いのですね。
蟹をより美味しく食べる方法
石井水産さんでは、茹でて冷凍した蟹と、生のまま冷凍した蟹を販売しています。既に茹でてあるものはゆっくりとしっかりと解凍してから食べるのが良く、さばくのは100円均一で売っているようなハサミで十分とのこと。カニ鍋にするのなら半解凍のままお鍋に入れてOK。出汁に蟹の旨味が出て絶品のスープに仕上がります。
生のタイプは、焼き蟹にするのがおすすめ。オーブンを使用し半解凍の状態で焼けば、自宅でも香ばしい焼き蟹を存分に楽しめます。
大きな蟹を自宅で茹でるのは意外と大変。もし蟹を茹でて食べたいと思っているのなら、生タイプではなく最初から茹でてあるタイプを選びましょう。
またこの時期ならではの楽しみ方に、蟹しゃぶがあります。お鍋にお湯または出汁を入れ、蟹をしゃぶしゃぶして食べればプリプリの食感に感動するはず。そのまま食べても、好みでポン酢を少しつけても良いですね。〆はご飯を入れて雑炊にすれば、蟹の旨味を無駄なく美味しく食べられます。蟹しゃぶにするなら、むき身の棒ポーション(1パック3,300円)が手間なく簡単です。
創業100年以上!ずっとお客さんと向き合ってきました
石井水産さんは、昔からの常連さんも数多く立ち寄る老舗です。
「先代は父、その前は祖父。私は4代目か5代目くらいで、創業してから100年じゃきかないでしょう。ここに市場ができるはるか昔から、長く商売をしてきました」と和寿さん。
現在は業者の方はもちろん、一般のお客さんもファンが多いと言います。
蟹以外には、手軽に購入できる海産物も多く取り扱っています。
魚は店内にある専用機器で解体。人気の鮭は一匹丸ごとなら3000円、食べやすい大きさにカットしたものは一匹の半分の量で1800円で購入可能。脂がたっぷりとのった天然のカマもお勧めです。
来店するなら朝5時から10時までを目安に。
混雑する年末年始はお昼近くまで営業することもありますが、良い品物を購入したいなら早めに来るのが良いとのこと。ちなみに船橋市場は12月31日から1月4日までは休市日となります。
年末年始、美味しい蟹を楽しみたいなら石井水産へ。
市場でお客さんに愛される、和寿さん昌寿さんご兄弟の元気パワーもぜひ感じてくださいね。
今回取材したお店
●店名:石井水産
●詳細:https://funabashi-ichiba.jp/marine/5035/