野菜を消費者が買いやすく包装!「ワールドラップ」の仕事
皆さんがスーパーなどで野菜や果物を手にする時、その商品は使いやすい数量でラッピングされていますよね。ちょうど良い量にまとまって袋に入っていたり、「〇〇産レタス」などの包装がされていたり、パック詰めされているなどお買い求めやすく包装されています。
船橋市場にはこの作業を行っている包装請負会社「株式会社ワールドラップ」があります。 一般の方には馴染みのない会社かもしれません。でも実はこの会社の仕事のおかげで、私たちは野菜や果物などを手軽に買うことができるんですよ。
今回は、無くてはならない存在である、ワールドラップさんのお仕事に注目したいと思います!
野菜や果物をラッピングして、お店に陳列できるかたちにしています
市場に来る野菜などの青果物が消費者に届くまでの一般的な流れをご存知でしょうか?
農家で大切に育てられた野菜や果物は市場に届けられ、「卸売業者」が受け取ります。卸売業者のせり人の呼びかけに応じて品物が競りにかけられ、「仲卸業者」が購入。品物は、市場内の仲卸店舗売場に保管されます。市場に買い付けに来る業者(スーパーや個人店)がその品物を購入をして、お店に陳列され、私たち消費者の手元に来るのです。
市場には多くの青果物を抱える様々な仲卸店舗があります。この仲卸店舗の中で要望の声が上がり、37年前に誕生したのが包装請負会社である株式会社ワールドラップなのです。
80人ほどの女性たちが一斉に包装作業!!
ワールドラップの会社は、市場敷地内の西側にあります。海老川の隣に冷蔵庫棟があり、そこに隣接している建物で「青果物加工センター」と市場マップには書かれています。
加工場に入ってみると、そこにはたくさんの人が一心に包装作業をしています。
ここで作業をしているのは主に女性、年齢は様々です。 女性が多いのには理由があります。手指が細く、パパっとこなせる器用さ。主婦ならではの感覚を持ち、綺麗に包装ができるため、とのことです。ここでは80人ほどのパートの女性たちが大活躍しています。
取り扱う食材は日々変わります。取材した日は2月末。ちょうどひな祭りの前で春のお祝いにもよく使われる「菜の花」が多くありました。その他には、大量の玉ねぎ、新玉ねぎ、トマト、デコポン、ジャガイモなど!
訪れた日は水曜日。いつもなら市場は休市日にあたる日で作業自体はお昼で終了予定だったため、「これでも野菜は少ない方ですよ」とのことで更にびっくり。
作業場では、段ボールやコンテナに入っている野菜や果物を、スーパーなどで普段目にするようなかたちにラッピング作業をしていきます。パック詰めしたり、小ネットに入れたり、小箱に入れたり…。 注文の通りに、量に差が出ないように均等に、無駄のないスピードで丁寧に詰めていく様子は実に圧巻です。
「ここで働き始めたのは5、10年前じゃないよ。もっとずっと前からここで働いてるよ」
「働かせてもらえてありがたい。ボケ防止にもなってるかしら(笑)」
「毎日違う野菜やっているんですよ。これがお店に並ぶのよ」
保育園などに小さな子どもを預けて働いている若いママもいるのだそう。 手早く黙々と作業をしながらも、やりがいを感じ、それに喜びを感じている方が多い印象を受けました。
機械を使ってレタスの包装をしている方に近づき、作業を見学させていただきました。 レタスの一番外側の葉を取り、芯を上に向けて包装機械にセット。ぐっとレタスを押し込むと、自動的に透明なフィルムがくるまり包装が完了します。
仕上がりが良ければ売り上げにも影響するので、ひとつひとつを丁寧に作業します。 山ほどある野菜などを全て的確に包装するのですから大変です。
作業時間は朝4時から。スーパーの特売日やセールの期間はとても忙しくなります。時期に合わせて作業時間なども調整しているのだそう。
働く人は出勤時間がバラバラで、それぞれの生活スタイルに合わせて無理なく働いています。
ここで包装された野菜などは、各スーパーの配送センター等へ。市内だけでなく、市外にも広く運ばれます。早朝に作業したものはその日のうちに、遅くとも翌日位にはお店に到着し店頭に並ぶのです。
配送や力仕事は男性社員が頼りにされています。電動フォークリストを華麗に運転する様子は、実にほれぼれしてしまうほど!包装された野菜などを正確に素早く仕分けし運ぶことも、大切な業務の一つです。
今年で創業37年! はじめは小さな作業場で始まりました
株式会社ワールドラップは昭和58年に創業しました。 仲卸店舗の中で多数要望があった「包装作業」を請け負う会社としてスタート。 創業当初は実に小さな建物で、主にたまねぎやじゃがいもを扱っていたそうです。
本来仲卸業者が行っていた作業をワールドラップが請け負うことで効率が良くなり、消費者の手元に届くまでの時間短縮につながります。
野菜や果物の鮮度が良いまま届けられることは、仲卸業者にとっても消費者にとっても嬉しいこと。
約20年前に現在の建物ができ設備が整ったこともあり、扱う食材や種類も徐々に増えていったといいます。 かつて少人数で始まった会社ですが、今では約100人の人が働く会社に成長し、市場に無くてはならない存在となっています。
皆さんが今日手にした野菜や果物、それはもしかしたらワールドラップが関わった商品かもしれません。
野菜や果物を育てる人、販売する人だけでなく、その間には丁寧にラッピングをしている人たちがたくさんいるのです!