市場の品質保持のヒミツを大公開!低温売場・予冷庫に潜入
連日暑い日が続いていますね。
船橋地方卸売市場も外の暑い空気が通り抜けるところも多く、お勤めの人たちも汗だくになりながら働いています。
そして、この暑さは市場に卸される食品にとっては大敵。そのため、市場では食品の新鮮さを保つため、さまざまな工夫をしているんですよ! 今回は、生産地から運ばれた食品がどのように低温に保たれてお店に届けられるのか、その仕組みについてご紹介します。
野菜の新鮮さはどうやって保たれているの?
市場の屋根の下にあるこの大きな特設テント・・・?のようなもの。
これは低温売場といって、主に農家さんたちが夕方~夜に出荷した野菜や果物を、翌朝の競りまでの間、冷やしておく施設なんです。
中は約15℃に保たれ、ゴールデンウィーク明けから9月頃まで稼働しています。
青果を担当する長印船橋青果株式会社の角瀬さんは、
「農家さんが暑い中一生懸命作ったものを、流通の過程でダメにしてはいけない」
「品質を落とさず、よりフレッシュなものを消費者に届けたい」
この2つの思いを大切にしていると語ります。
生産者にも消費者にも喜んでもらえるような環境を整えることが、市場の役割なんですね。
この低温売場の中に置かれるのは、小松菜やほうれん草などの痛みやすい葉物野菜や、果物が中心。
明け方にはたくさんの野菜でいっぱいになりますが、7時からの競りが終わるとあっという間にものがなくなり、その回転の早さに驚かされます。
競りではなく、相対で取引された商品(あいたい:1 人の売手と 1 人の買手が話し合いで取引する販売方法)やその日配送されない商品は、“予冷庫”と呼ばれる低温売場とはまた別の施設に一時的に保存されます。
中に入ってみると、背中がぞくぞくする寒さ・・・!中は約4℃に保たれているそうです。 本当に巨大な冷蔵庫の中にいるようでした。
魚介類の新鮮さはどうやって保たれているの?
一方、今度は魚がどんな風に運ばれているか見てみましょう。
深夜2時頃、市場に冷凍マグロが到着しました。
マグロは、捕獲された時点で神経を抜かれて冷凍され、色変わりも少ないように加工されます。
そして、マイナス約50℃を保ちながら市場まで輸送されるのです。
船橋魚市株式会社の渡邊さんは「マイナス50℃で運ばれたマグロが、仮にマイナス30℃の環境に置かれると、その真っ赤な身の色が真っ黒に変色してしまうんです。色を保つために、マグロの温度管理には特に気をつかっています」と強く語ります。
翌朝、競りが始まりました。こうして、衛生・温度管理が徹底されたマグロは、仲卸さん、小売の業者さんを経てみなさんのもとに届くわけですね。
店頭に、真っ赤な身の新鮮なマグロが並ぶのは、こうした管理の仕組みの賜物といえるでしょう。
いかがでしたか?野菜、果物、お魚などが新鮮なままお店で買えるのも、運ばれ、取引される過程でいろんな人達が品質管理を徹底しているからなんですね。
生産者さん、卸売業者さん、仲卸業者さんの安心安全な食品への思い、少しでも感じていただければ幸いです。
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