今絶対食べたい”秋から冬が旬の魚”を教えます!!
どうせ魚を食べるなら今一番美味しい魚を食べたい。それならば旬の魚を選びましょう!
秋は脂がのっている魚が多く、他の季節に食べるのとは一味も二味も違うことも。更にたくさん獲れる時期は魚の価格も下がります。旬の魚を知っていればお得に美味しい魚を選ぶことができるのです。
そんな旬の魚について、水産物部仲卸店舗にある魚屋さん「有限会社吉豊商店」さんにお話をうかがいました。
今年はサンマの当たり年! 最の美味しさを味わえるのは今
近年、サンマの漁獲量が少なく値段が高めの年が続いていましたが、今年は質が良く値段が安いというニュースを耳にした人も多いと思います。今年はサンマが豊漁で、吉豊商店さんでも日々たくさんのサンマを取り扱っています。
2キロ分のサンマが入った箱には、「11」「12」「13」などの数字が記載されていますが、これは入っているサンマの数。箱での重さは変わらないので、数字が小さくなればなるほど一匹当たりのサンマの大きさが大きくなります。
一人一匹食べるのも良し、大きいサンマを家族でつつくのも良し。個人のお客さんで箱ごと購入する人も珍しくないそうです。
吉豊商店3代目店主の昌彦さんによると、サンマをはじめ、魚の鮮度を見極めるには「適度に硬さがあり、やわらかくないものを選ぶこと」がポイントだそう。理由は鮮度が落ちると張りが無くなってしまうため。サンマはくちばしが黄色いものを選べ、とよく言われますが、鮮度が落ちても口は黄色のままですので、鮮度を判断するには硬さをチェックしてみましょう。
見せて頂いたサンマは、どれもつやつやに光っていて実に美味しそう~! サンマは「秋刀魚」という漢字がピッタリ、この時期絶対に外せない魚のひとつです。
サバは今が旬!? マサバとゴマサバの違い
旬の魚として、秋はサバも美味しい季節です。
サバはスーパーに行くと年中売られていますが、実は品種によって美味しい時期が異なります。夏によく売られているのはゴマサバで、秋から冬にかけて旬なのはマサバ。二つを並べてみてみるとその違いがよく分かります。
ゴマサバはお腹の部分まで模様が入っていますが、マサバのお腹は黄金色で模様は無し。背中の方にはどちらも模様が入っていますので、質が良いサバを見極めるにはこの模様がはっきりしたものを選ぶと良いそうです。
「ゴマサバは地域によっては刺身で食べるのが人気ですが、関東ではそういう習慣はあまりありません。サバは痛むのも早いですから警戒してあぶったり、お酢をかけて食べる人が多いようですね。
どちらのサバもお勧めの食べ方は、味噌煮じゃないでしょうか」とにっこり。
サバと味噌の相性は抜群! こってりと煮た味噌煮があれば、白米はいくらでも食べられます。もちろん脂たっぷりのサバは、焼いても煮ても刺身にしても、絶品でいただくことができます。
戻りガツオ、白イカ、伊勢海老も
お店には立派な”戻りガツオ”がありました。
カツオの旬は春と秋。春は”初ガツオ”でさっぱりと爽やかなのが特徴ですが、秋は脂が多くのっており、春とは全く違うのだそう。エサをたくさん食べ太った秋のカツオは、好む人が多いかもしれませんね。店先で見かけたカツオも丸々と太っていてとても立派です。
こちらは九州産の”白イカ”。生きている時は透明感のある白色で、釣り上げた後赤くなるため”赤イカ”とも呼ばれます。「火を通しても固くならずに柔らかくて美味しい。でもやっぱりお刺身として食べるのが一番でしょう」と昌彦さん。
店内を見ていると豪華な伊勢海老も発見!
伊勢海老と言えば旬は冬と思いがちですが、実は秋からが旬。漁獲高は、千葉県が全国第一位なのはご存知でしょうか。伊勢海老は、春から夏は禁漁となり、9月の半ば過ぎに解禁されます。銚子や、大原から勝浦の海で獲れた活きの良い伊勢海老は、なんと一匹1000円弱!
食べ方も簡単で、鍋にたっぷりのお湯を沸かして茹でるだけ。ご家庭でプリプリとした旨味たっぷりの味を楽しむことができるのです。
お店の魚は日々変わります。昨日はなかった魚が今日はある、なんてこともありますし、その日しか出会えないものも。訪れる度に新しい出会いがあるのも、市場のお店ならではの魅力とも言えますね。
市場一のイケメンがいる?! 笑顔絶えない吉豊商店
吉豊商店さんは、水産物部仲卸店舗売場の2号通路沿いにあるお店です。お店には新鮮な魚介類が所狭しと並び活気があります。初代の吉豊社長は、船橋市場が約50年前に現在の場所に市場が移転した際に筆頭となり、今の市場の土台を作り上げた功労者の一人です。
現在は、2代目社長とご家族の皆さんが店頭に出ています。今回取材に応えてくれたのは、リーダー的役割を担う3代目の昌彦さん。物腰が柔らかく、どんなことも丁寧に教えていただきました。
弟の勇次さんは、大きなピアスがトレードマーク。ファンキーな風貌の市場一のイケメンですが(笑)、もちろん確かな知識を持ち合わせています。
もう一人、1年半前からお店を手伝っているのは勇次さんの息子の剣人さん。「仕事は、楽です」とちょっと恥ずかしそうに笑ってくれましたが、常に動き忙しそうなご様子でした。
歴史あるお店、これまでに大きな波やご苦労もあったことでしょう。でもそんなことを感じさせない、吉豊商店さんは家族の笑顔があふれるお店です。
ちなみに、このお店は今年の春にテレビで放送された某人気ドラマのロケ地ともなりました。お店の前にはロケ時の写真が飾られていますので、興味がある方はチェックしてみては?
なお、お店は早朝からオープンしています。9時頃から10時頃までは比較的すいていますので、訪れるにはおススメの時間です。
これまでも、これからも、吉豊商店さんは新鮮で美味しい魚と元気を得られるお店として愛されていくでしょう。ここで出会った旬の美味しいお魚で、食卓から季節を感じてみてはいかがですか?