一般客も大歓迎!包丁のことなら創業95年「包丁の店 杉本」へ
※包丁の店 杉本 船橋市場店さんは2018年8月をもって惜しまれつつも閉店となりました。
船橋市場は、種類豊富なたくさんの食材がそろう場所。これらの食材は人の手を加えることで、美味しい”料理”に生まれ変わります。
今回はそのために必要な道具の一つである「包丁」にスポットをあててみましょう。創業95年、包丁を専門に扱うお店「包丁の店 杉本」さんにお話をうかがいました。
市場の一番南東、角にある包丁屋さんです
「杉本」さんは船橋市場の入口からすぐ、正門を背に向けて「関連事業者店舗棟」の一番手前、左端の角にあるお店です。休市日を除く日の6時から10時半まで営業をしています。
お店にうかがうと、2代目社長の杉本勝政さんが穏やかな笑顔で出迎えて下さいました。スタッフの伊藤清人さんに案内され、さっそく取り扱っている包丁を見せていただきます。
決して広くない店内ですが、自慢の包丁はガラスの戸棚にずらりと並んでいます。「杉本」と刻印のあるオリジナルの包丁や、プロ御用達の質の良い包丁ばかり。もちろん一般のお客さんも大歓迎で、定期的に訪れる常連さんもいらっしゃるそうです。
プロでも一般客でも、使いやすい包丁が揃っています
包丁には「和包丁」と「洋包丁」があります。
和包丁で代表的なものは魚をさばくのに最適な「出刃包丁」で、洋包丁と言えば肉などが幅広く切れる「牛刀(ぎゅうとう)」が有名でしょう。和包丁が引いて切るのに対して、洋包丁は押して切るのが大きな違いです。
本来包丁は用途に応じて使い分けるのがベストですが、普通の家庭だとなかなか包丁をそろえることができないのが現状。そこでお勧めなのが「三徳包丁」です。
これは和包丁と洋包丁の中間の万能包丁で、肉も野菜も魚も切ることができます。見せていただいた三徳包丁は鋼をステンレスで挟んだ構造で、よく切れるのにさびにくく扱いやすい、お手頃価格の一押し商品でした。
専門店ならでは! こんな珍しい商品も
特殊な包丁や珍しい商品も見せていただきました。
目を引いたのは「式包丁」。大型の包丁で、朝廷における特別な行事の奉納などに使われる包丁なんだとか。烏帽子を被り、長い包丁で食材を優雅にさばく様子はきっととても美しいことでしょう!
またこんな商品もありました。
「肥後守(ひごのかみ)」という小さな折り畳み式のナイフです。昔は鉛筆削りとして誰もが持っている道具でしたが、カッターナイフの誕生によって今ではなかなか目にする機会もなくなったそう。昔を思い出す昭和の道具として懐かしいと思う人も多いのではないでしょうか。
刃物には、それぞれに歴史やストーリーがあり、見ているだけで飽きることはありません。「いつもはこんなに話さないんだけどね」そう笑いながら説明してくれた伊藤さん。「コレ写真映り良いんじゃないかな」と写真撮影の配慮までしていただきました(笑)。
「自分でやる?依頼する?」包丁研ぎ
包丁の扱いは難しい、そう思わせる要因の一つは「研ぎ」にあるのではないでしょうか。
市販の簡易シャープナーで研いでいる人も多いと思いますが、研ぐ面が偏ってしまうため結局は研ぎ直しする必要性がでてしまいます。本来砥石は粗めのものから細かいものに替えて磨きあげていくものですが、一般家庭なら実は「中仕上用(中くらいの粗さの砥石)」を一つ持っているだけで十分とのこと。
自分で研ぐのが難しいようなら「包丁研ぎサービス」を使うのも手です。
「杉本」さんでは職人さんによって丁寧に研ぎを行うため、包丁を2週間程預かります。諦めかけていた頑固なサビや刃こぼれも、まるで新品のように生まれ変わります。
このサービスは、「金属」で「切る」ものなら華道で使う花ばさみや布を切る裁ちバサミなど幅広く対応しているとのこと。1,000円から5,000円程で依頼出来るため、まずは相談してみるのもOKです!
包丁は「柄の交換」も行っています。木製のものは傷むと柄の中の金属部分(中子(なかご))も傷んでいる可能性が高く、刃の根元からポキッと折れてしまうこともあるそう。こちらは在庫があればその場で交換することも可能です。
ちなみに包丁を錆びつかせないコツは、包丁を洗剤で洗った後に湯沸かし器の一番熱いお湯をあて、包丁の温度を上げてから布で水をふき取ることだそうです。そうすると、水分が蒸発しやすくなるそうですよ!
創業95年、多くのプロが認める歴史ある杉本包丁
包丁の店「杉本」さんは、2代目の杉本勝政さんが父親である初代から受け継いだお店です。勝政さんは5歳から包丁を持っていたほど、初代の背中を見て包丁の世界を生きてきました。
実は築地にある有名な「杉本刃物」は初代によって創立したお店で、西葛西にある店舗は勝政さんの従兄弟が経営されているそう。勝政さんは船橋市場のこのお店と、京成船橋駅すぐそばにある店舗を営んでいます。
今の時代、包丁はホームセンターや通販などで手軽に安価なものを買うことができます。しかしここには包丁専門店だからこその魅力があり、足を運ぶ価値があります。自分に合った包丁を店員さんに相談することもできますし、包丁を見て触ることで使いやすさやメリットデメリットを感じることができるでしょう。
高価な包丁でも、丁寧に扱えばとても長持ちします。料理にこだわっている人は、良い包丁を使うことで料理の腕がワンランクアップし、料理が苦手でも包丁に愛着が沸けば台所に立つのが楽しくなるはずです。
たかが「包丁」ですが、されど「包丁」です。
昔ながらの伝統を守るあったかくて素敵な包丁屋さんが、ここにはあるのです。
なお、本日(平成30年7月5日木曜日)より大セールを実施します!!
対象品がなくなり次第終了ですので、お早めに!!