販売のコツまで伝授!駄菓子・お祭り玩具は「現金問屋やました」へ
船橋市場は、たくさんの商品と訪れる度に新しい発見があるのが大きな魅力です。そんな市場の中で、今回は”ちょっと変わった価値あるお店”をご紹介しましょう。「現金問屋やました」(山下商店)は山のような駄菓子や縁日玩具がそろう問屋さんです。大人が来てもワクワクしてしまうこのお店は、ただお菓子を買うだけではない、+αの価値を得られるお店なのです!
ズラリと並ぶお菓子とお祭り玩具!
「現金問屋やました」さんは、船橋市場の正門を入り左手の「関連事業者店舗棟」の中にあるお店です。お店の前に行くとまず目を引くのがお得な一押し商品の数々!
昔食べた懐かしい駄菓子や、お祭りでお馴染みの商品がズラリと並んでいます。あまりの商品の多さに、目的を忘れて目移りしてしまうほど。一つだけ買うこともできますし、箱買いや大量購入も可能です。
お店の奥に進むと縁日玩具コーナーに。安いものは50円ほどから、光るペンダントやヨーヨー、景品にも嬉しい豪華な特大の水鉄砲や、各キャラクターのお面もそろっています。
他にもオリジナル商品の「BOXくじ」や、手作りの「コリントゲーム」のレンタルも好評で、売れ筋商品を押さえた「〇万円分おまかせ」という注文方法は間違いが無く大人気なんだとか!
お店を案内してくれたのは代表取締役の山下大八さん。
ハキハキとお話される様子はとても若々しく、「お客さんからの若いパワーを吸い取っているからね」とにっこり(笑) 活気あるお店は、社長のパワーから生み出されているのでしょう。
現在このお店は駄菓子や玩具の販売をはじめ、お祭りなどで使用する機械(わた菓子、かき氷など)のレンタルを行っています。お店の歴史は長く、なんと慶応元年(1865年)から!法人化してから山下大八さんで3代目になるそうです。
お菓子はスーパーやネットでも安く買えるものですが、ここ「やました」さんはお客さんが絶えることがありません。市内はもちろん市外や県外から購入する人も少なくないのです。
商売繁盛の秘密は”返品OK”のシステム
「やました」さんの大きな特徴は「返品が可能であること」。
お店を利用するお客さんは、幼稚園や小学校のバザー、自治会のお祭りや学園祭など団体のイベントで仕入れる目的の人が多くいます。
例えばイベントで駄菓子屋さんを開くとなったら、普通決められた予算で買えるだけのお菓子を仕入れることになるでしょう。でも売れ残った場合、そのお菓子はどうするのでしょうか。逆に予想よりも早くに売り切れてしまったら?
過去には、イベント当日や直前に地震や台風直撃、インフルエンザ流行による学級閉鎖、天候不良で中止や大幅な集客の減少などもあったそう。
もし現金で買い付けていた場合はどうすることもできませんよね。
「やました」さんでは、商品の代金は後払いが可能。
イベント終了後に売れ残りを引き取ってもらい、販売した分の代金を売上金で支払うシステムを導入しています。
つまりお菓子を100個買い3個しか売れなかったら、97個はそのまま返品ができ、3個分のお金を払うだけで済むということ。お客さんにとっては負担なく仕入れることができるのです!
「やました」さんがこのシステムを導入したのは約20年前。きっかけは親戚の幼稚園からのご提案だったそう。
「幼稚園のバザーの予算が少ないから、駄菓子が余ったら全部返品するからね」とガツンとまとまった量を購入され、その時は「やられたなぁ」と思いつつも「親戚だからしょうがない」と渋々引き受けたといいます。
しかし、蓋を開けてみたら大成功!
この方法は売り切れが出ないことで売り上げが上がり、それに伴い利益がついてくるというメリットがあったのです。
今は仕入金額によって手数料を支払うことで、売れ残り商品をはじめ、イベントが中止になった場合でも100%の返品を引き受け、多くのお客さんに喜ばれています。
売れる商品はどれ?売り方のコツや上手な仕入れ方を直々に伝授
「やました」さんが一般的なお店や問屋さんと違うのは、バザーやお祭りに関するノウハウを教えてもらえることです。GW明けから6月末までの営業日(定休日は日曜・祭日・水曜日 ※7~10月は水曜日のみが定休日)の10時から、売り方に関する説明会を実施。山下社長が直々にコツやポイントを伝授しています。
これがとにかく”目からうろこ”の話しばかりなのです!
また過去の学園祭で「やました」さんを利用した学生さんからの御礼状の数々も見せていただきました。便箋いっぱいの感謝の気持ち、売り上げ達成の報告と大盛況だったイベントの写真。
そこからは、ただのお客さんとお店の関係を超えた、あたたかい気持ちであふれていました。
「お客さんとのやりとり」が楽しいと語る山下社長。
時にはお客さんに対してズバズバと意見するのは、そこに「イベントを成功させてほしい」という思いがあるためです。だからこそ、一度ここでお世話になったお客さんは長い付き合いとなり、口コミで広がったり遠方からでも依頼があるのだと納得ができました。
「やました」さんのFacebookにはそんなノウハウが分かりやすく案内されており、商品や営業時間、定休日情報の詳細はホームページで確認することができます。お店は7月以降になると混雑が予想されるため、早めの来店がお勧めとのこと。イベントを成功させるために「やました」さんを活用したいのはもちろんですが、フラッと立ち寄っても楽しい、思わず童心に帰ってしまう駄菓子の問屋さん。
エネルギッシュな山下社長が、今日も笑顔でお待ちしています!