大迫力のまぐろの解体ショー!プロじゃない方も大歓迎「魚がし鎌形」
子どもも大人も大好きな「まぐろ」! 船橋市場には美味しいまぐろを扱うお店が多数あります。 今回はその中のひとつ「魚がし鎌形」さんをご紹介します。 水産物部仲卸店舗売り場の1号または2号通路の奥に入ったところにあるお店は、業者の方をはじめ一般のお客さんも気軽に立ち寄れる雰囲気。実は「まぐろの解体ショー」をお願いすることもできちゃうんですよ! 店主で代表取締役の鎌形竜也さんにお話をうかがいました。
美味しい本まぐろはいかが?希望にそったまぐろをご提供します
魚がし鎌形では本まぐろをメインに扱っています。 取材した日は既にほとんどの商品が売れてしまった後だったのですが、お店は深夜1時から開けており早朝には新鮮なまぐろがずらりと並びます! 棚には切り落とし、柵、ぶつ切り…お客さんから入った注文のまぐろも並び、まるでまぐろの見本市です。 イチオシの来店日時は土曜の朝7時。ちょっと早起きの必要がありますが、品数も多く、市場も賑やかなので足を運ぶ価値がありますよ!
まぐろには「天然」ものと「養殖」ものがありますが、どちらがオススメか聞いてみました。 一般人である私たちとっては天然ものの方が上質というイメージがありますが、時期や産地によって品質に差が出ます。 質が良いものとそうでないものがあり、これを素人が見分けるのは簡単ではありません。それに対して養殖のまぐろは品質が一定で脂がしっかり乗っているとのことです。スーパーなどでまぐろを選ぶ時には、店員さんなど知識のある人に聞いてみるのもいいですが、事前に選び方のコツを知っておくと上手なお買い物ができるかもしれませんね。 なお、「国産」と「輸入」とを比較した場合では、国産のまぐろはやっぱり美味しいそうです!日本の近くの海は餌の質が良いことから、それを食べたまぐろの味も良くなります。では、輸入のまぐろは美味しくないのか?といいますと、そんなことはありません!輸入のまぐろは船上に引き揚げてからすぐに下処理をし、急速冷凍されてから日本に運ばれてきます。現在は様々な技術が進歩していますので、美味しいまぐろも沢山あるとのことです。
鎌形さんによると「色が良くて脂が乗っていて味が良いまぐろは”良いまぐろ”と一般的には言えますが、お客さん一人一人のニーズにこたえたものを提供することが卸売りならではの良さ」だといいます。 「多少見栄えが悪くても安くて美味しいまぐろが食べたい」 「お店に良い注文が入ったから、それに見合った上質なものを出したい」 「安いランチの品のひとつとして出すけど、良いものある?」 こういった様々な要望に応じた商品を提供することが、お客様の満足につながるんですね。
拍手喝采!「まぐろ解体ショー」の出張にうかがいます!
魚がし鎌形では、ご要望に応じてまぐろの解体実演を実施しています。 市場で年末に3日間開催したところ、たくさんのお客さんが来店。その人数は過去最高だったそう! 解体ショーはお客さまの希望の場所に出張して行うことができ、値段はまぐろの大きさなどによって50~100万ほど。某テレビ局の忘年会や、市内のホテル、老人ホームなどの施設…これまでも様々な場所に出向いて行ってきたそうです。
「例えば大人数が集まるパーティーで、料理のランクを一つ下げてまぐろの解体ショーを入れる。 1人当たりの金額は高くないので無理が無く、会場は盛り上がるのでお勧めです! 一定の需要があるので、これからもっとやっていければなと考えています」と鎌形さん。 大きなまぐろをさばく様子は実にダイナミックで迫力満点!解体したまぐろは、その場で切り身や刺身、お寿司として美味しく味わえるのが良いですよね。興味があればお気軽にご相談を!
祖父母の代から魚を扱ってきて… 広い視野で事業を展開中!
「魚がし鎌形」には直営店が複数店舗あります。市場内のお店はまぐろの卸売りを、直営店では持ち帰り用のお寿司やお刺身を提供しています。 パートやアルバイトのスタッフを含めると約60人の従業員を抱える規模となりましたが、お店の歴史をたどると、ちょっと複雑な経緯があります。 「もともと祖父母の代の頃は、まぐろと鮮魚を取り扱ったお店でした。 そのお店でまぐろの卸売りを担当していた父が独立し、まぐろの卸売り専門の会社を立ち上げました。 私は父の会社で働いていたのですが、鮮魚の小売りをやりたいと思うようになり『魚がし鎌形』として鮮魚部門として営業を始めました。 その後、私が父のまぐろの卸売り業務を引き継ぐこととなり、現在会社としてはまぐろと鮮魚、両方に力を入れています。 私は『魚がし鎌形』を立ち上げましたが、元をたどれば祖父母の代まで遡ることができます。それぞれの代でやりたいことをやってきて今の形になったんです」
先代がまぐろの卸売店として独立した時期はタイミングとして遅かったそうで、当時市内の業者やお店のお客さんは他の卸売店と既につながりが出来上がっていました。 他店と重複しないように広い視野を持って営業をかけた結果、取引先は都内を始めとした市外がメインとなり、毎日トラック3台を使って配達しています。 9時、10時くらいになると市場の店頭の魚はほぼ売り切れますが、他の業務や配達スタッフもいるため、13時くらいまでお店は開けているのだとか。 「都内に船橋市場の魚が流通するってとても凄いことだと思うんです。 広いエリアで仕事をしているので、そのあたりの実状はきっとどこよりも詳しいんじゃないかと思います」
お店としての歴史やこだわりを守りつつ、会社として従業員を守る責任もあります。 将来的にどう事業を展開していくのかは、まだまだ考え中とのこと。鎌形さんとお話をしていると、広く見据えた柔軟な考えを持っているという印象を受けました。 魚がし鎌形では、業者さんはもとより、それ以外のお客さんも大切にしています。お店に来ていただいたお客さんは皆さん大歓迎とのこと。市場に立ち寄った際はぜひ顔を出してみてください。 新鮮で旨味のある絶品まぐろと、気さくな魚のプロたちがあなたをお待ちしています!!
今回取材したお店
株式会社魚がし鎌形 ※写真の価格表記につきましては、令和2年1月の取材時のものです。